次回予定作品の導入

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この前まで下書きまで行った漫画があったのですが、途中で続けられなくなりお蔵入りしました。

ストーリーがなかったので、単にイラストをたくさん書いている感覚になってしまったのがいけませんでした。

イラストはイラストで良さがありますが、漫画がイラスト集になっては意味がないですね。

今取り組んでるのは、稚児とお坊さんのおにショタものです。

昔は、お坊さんは女性とセックスしてはいけないと言う戒律が厳しかったので、その代わりショタとえっちしていました。そのお相手がお稚児さんなのです。

昔、少年愛の美学と言う文庫本でこれを知ったときは衝撃でした。公認でショタとセックスできる世界・・・なんと素晴らしい・・・

この世界を漫画にした作品もあまり見かけませんね。やっぱり色々引っかかるのかしらん。

ただ、室町時代のこの風習を漫画に書くには必要となる資料が膨大です。衣装を調べるだけでも一苦労・・・

pawooでぼやいていたところ、相互させていただいている神楽薫さんからアイデアをいただき、舞台を現代にうつすことにしました。

世界観を作る助けになるように、冒頭部分だけ小説風にして書いてみました。

今はネームを作っているところですが、これまでの作品よりプロット・世界観・キャラ付けがしっかりしているのでネームも作りやすいですね。

作品中の一場面をコンセプトアートとしてつけています

稚児灌頂 (仮題)

初めまして!

東 璃空と言います。

これからお世話になります!

部屋に鳴り響く高い声。しかし煩くはない。聞くものに、むしろみずみずしい心地よさを与えた。

この子が・・・

安蕉は声を出しかけたまま逡巡した。

良俊にかけられた言葉が去来する。

「安蕉、新しい子が来るぞ」

1週間前、安蕉は良俊に自室に呼ばれていた。

良俊はこの仙元寺の住職である。仙元寺は広い敷地の中にいくつもの文化的保護財を持つ、由緒ある名刹であった。

安蕉もまた寺に住まう僧である。30半ばだが、まだ20代と言っても通るような若々しい肌と、坊主頭でなければ、いや坊主頭であっても女性の目を惹きつけるような容貌を持っていた。安蕉は住職の身の回りの世話、檀家との折衝、大きな講話やメディアの取材なども取り仕切る秘書兼家政夫ともいうべき存在だったが、その安蕉にとっても住職の部屋はいつまで経っても居心地の悪い場所だった。

寺院の部屋にはややそぐわない華美にすぎる調度品に囲まれながら、安蕉は姿勢良い正座で師の言葉の続きを待った。

「関わりの深いお宅の子でな。お前も何度かお会いしているだろう。朝日建設の社長さんだ。」

安蕉の頭に脂ぎった中年男の顔が浮かんだ。確かに何度か会合で顔を見たが言葉を交わした事はない。仙元寺には一般的な檀家のほか、住職の個人的な、他の僧には滅多に会わせない特別な檀家も持っていた。安蕉はそうした会合で客の案内まではするが、場に立ち会うことは稀であった。

「まあ、その・・・会社が左前になられてな。ご家族から一旦離れねばならぬと。まあ偽装離婚だな。ご妻女はご実家に戻られるそうなのだが、お子については今の学校から離すには忍びないためここに預けたいと、こうおっしゃってな」

「お年のほどは・・・? 男の子なのですか?」

「ああ、9歳と言っていたな。まだ小学4年生だ。」

「では・・・部屋と食事は用意しましょう。部屋はまだいくつか空きがありますので。もちろんお勤めはしないのでしょう?」

「ふうむ・・・それがな・・・。」

歯切れが悪い師の様子を見て、安蕉は一つの予感めいた諦念を抱いた。この人はまた・・・。

「いつまで預かるのですか? いつかはご家族のもとへ戻られるのですよね?」

「もちろん!」

良俊は頭を振って言わずもがなという風で答え、しかしすぐに言葉を続けた。

「しかしな。今度の子には・・・灌頂をさせようと思うてな。今回の事では色々辛い目にも遭ったようなのだ。」

灌頂とは、相応しい修行を終えた僧に戒律を授け、より高い位に登らせるための儀式を指す。が、二人はその言葉を異なる意味で共有していた。

「久しぶりだが、お前なら大丈夫だろう。面倒を見てやれ。」

良俊は大寺院の高僧にふさわしく、雰囲気を作るのが上手かった。その慈愛あふれる表情から響く低く聞き取りやすい声は、数多の講話で聴衆を魅了した。良俊に会うものは、たとえ断固とした考えがあっても、その表情と声に晒された後では、自然と彼に従うことこそが理にかなったやり方なのだと思う様になるのだ。

「では・・・お勤めはできる範囲でさせましょう・・・親御さまはご承知なので?」

安蕉の絞り出すような声に、良俊は声は出さず笑みで応えるだけだった。

「悟安の使ったものがしまってあるはずですので、それを出させましょう。では夕のお勤めがありますのでこれで。」

安蕉は立ち上がりさま、師の顔を下目に一瞥した。それがせめてもの抵抗だった。

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